派遣・フリーランス・業務委託のプログラマーは、現場企業の正社員に差別されるのか。世間では派遣切りや業務委託社員が個人情報を盗むなど非正規社員に対する悪いイメージがつきまとっている。実際に差別されている人も多いようです。
プログラマーの場合は、事務職などとは多少異なる場合があるが、実際はどうなのか。また対処方法はあるのか。
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差別はある。私の場合
特別な飲み会に参加できない
これはあるゲーム会社で働いていた時の話ですが、一時期ソーシャルゲームがとても流行っていた時代の事です。私はその会社のあるゲームのプログラマーをやっていて、メンバーは20人ぐらい居たのですが、その中でも中心的なメンバーとして働いていました。正社員と派遣社員の比率は8:2ぐらいです。仕事中は正社員も派遣社員も区別なく働いていました。
ソーシャルゲームの開発はかなりの激務で、2週間ごとにリリースがある戦場のような職場でした。遅くまで残業することもよくありました。そんな環境でしたが、どんどん利用者が増えて、売上が上がっていくため、プログラマーとしてダイレクトに利用者から反応が分かるので、とてもやりがいはありました。
当時私のチームが担当していたゲームはどんどん売上が伸びたため、会社側が特別賞のようなものを用意しました。豪華なステーキハウスのようなところで、飲み会が開かれることになりました。もちろん参加費は会社持ちです。
当時中心的なメンバーだった私も当然参加できるものと思ってましたが、参加できるのは正社員のみでした。
遅くまで残って働くこともあり、中心的なメンバーとして売上に貢献している自負があったので、この待遇にはとてもがっかりしましたね。がっかりというより怒りのようなものが込み上げてきたのを覚えています。その後、自分はすっかりその現場での仕事にやる気がなくなり、職場を去りました。
仕事は任されるが、重要な会議には参加できない
これはSI企業で働く場合はよくあるケースなのですが、重要な会議などには派遣社員やフリーランスなどの業務委託社員は参加できないです。セキュリティ上の問題などあるのかもしれませんが、仕事は普通に任されています。仕事はやらされているのに、会議に参加できないと重要な取り決めなどは自分の居ないところで決められてしまいます。
実際に仕事している当事者が居ないのに、仕様などが決まってしまい、非常に苦労するケースが多いです。会議に参加する正社員が優秀で、会議をうまくまとめる力があれば、苦労は少ないのですが、そうはならないケースが多いです。
派遣切りはよくある
派遣切りなども経験しました。ある会社で業績が悪くなり、仕事は正社員以上にしっかりこなしていたにも関わらず、派遣社員という理由で切られたことはあります。しかも事前に通知などなく、明日から来なくて良いみたいな感じで切られたことがあります。こんな事は過去に1回しかありませんが、次の仕事が決まらずにとても困りました。
また、業務委託の社員が個人情報を盗むという事件が起こり、世間を騒がせた事件があったのですが、その当時の雰囲気に流され、働いていた会社の役員がビビリだして、派遣社員を次々と切り出したことがありました。現場のことを知らない役員が突然決めたことなので、現場はかなり混乱しましたね。
個人として企業と契約しているという意識が重要
頑張って仕事をしているのに正社員と同じ待遇をされなくてキツイと思うかもしれません。また突然の派遣切りなどされて困ってしまうこともあります。ただ、プログラマーの場合は、スキルさえあればどこでもやっていくことはできます。あまり会社に依存する必要はないと思います。
たとえ切られても「けっ!こちらから願い下げだよ」ぐらいに思っていることが大事です。会社に雇われているのではなく、個人として企業と契約しているという意識が重要です。実際に契約上はそういう形になっているんです。同じ職場で働いているので、戦友とか同士などと考えてしまうのですが、そこは割り切る必要があります。
信頼されれば嫌な事は起こらない
しっかり仕事をして、一緒に働いている正社員より良い働きをしていれば、基本的に差別されたり、派遣切りされるようなことは無いです。先に上げた例の会社はややブラックなダメ会社です。良い会社ではあれば、おかしなことは起こりません。
大事な事は、とにかく仕事のパフォーマンスを上げて、信頼される人材になることです。辞めてもらっては困る、会社が回らなくなるぐらいの立場になってしまえば良いのです。それぐらいになれば、高単価を獲得することも可能ですし、場合によっては正社員より偉い立場になることもあります。実際に派遣社員なのにやたら偉そうにしている人はよく見かけます。
プログラマーは特に個人で力を発揮できる仕事ですので、優位な立場に持っていくことは可能です。
会社に依存しない、強いプログラマーを目指しましょう。